アマドコロの花

だいぶ更新を休みましたが、いよいよ本格的な春というよりもう初夏が近い。
畑のアマドコロが可愛い花を咲かせた。食卓に飾ると可憐さが一層引き立つが、「やはり野に置け…」ということか。でも小さな一輪挿しとマッチしている。

アマドコロによく似た花を咲かす植物にナルコユリがある。その根は“黄精”と呼ばれ、江戸時代には滋養強壮や健康回復に役立つとかで、かの小林一茶も愛用したという逸話が。じつはアマドコロもナルコユリも、植物分類上はアスパラやユリに近く柔らかい新芽は食用になる。写真のように育つと食べるのは無理。爺は話のタネに秋になったら根を掘り取ってかじってみるか。

この種の植物で意外とうまいのがギボウシ。田舎に帰ったとき、庭先で見つけたので犬猫のしょんべんのかかってなさそうな株をサクサクと切り取って水道水で洗い、さっと湯がいて酢味噌で味見した。

旬のタケノコと皿によそおってみると、緑鮮やかで少しぬるっとした食感が何とも言えず春の味わい。恐るおそる食べた家族からは「ホウレンソウより旨い」という声があがるほど。ギボウシは日本原産で20種類以上もあるとか。東北では“うるい”と呼ばれて山菜として重宝されている。おまけにビタミンCが豊富というので、聞きつけた親戚が数株掘り取って自宅に植えるという、予想外の展開に。
でも野草には毒草もあるので要注意です。自信のないものは食べないようにして下さい。前回引き合いに出した青葉高先生の「野菜の日本史」のどこにも、この植物が出て来ないのは謎のひとつ。埼玉出身の先生はご存じなかったのか、不思議!
さて、わが家の畑も夏野菜の季節。食いしん坊の週末ファーマーは、畑で花を咲かすアブラナ科の花芽をみつけると手当たり次第に収穫して胃袋におさめて春の味を楽しんでいる。

先週は、キャベツの親戚のケールの花芽をペペロンチーノの食材に。

帰り際掘りたてのタケノコを届けてくれた義妹に感謝しながら、ご馳走様!

きょうは高菜の花。高菜の花がどんな花を咲かすか。4本だけ畑の邪魔にならないところに移植して残してあった。その結果、咲いたのは平凡な黄色い菜の花に似た花。大根に似た花でも咲くのかなどと勝手に想像しながら待っていたのでがっかり。「勝手に期待した方が悪い」と高菜のお叱りをうけそうだが、試しに花のついた枝を摘み取って口に入れると、それはもう甘〜い蜜の香りで一杯に。蜂は蜜を吸いながらこんな香りを楽しんでいるんだ。

花の話題ついでにもう一品。これは何の花でしょう。写真をクリックしてオリジナルサイズでご覧頂くとなかなかの美形です。

正解はパクチー。去年の秋に植えたパクチーがひと株だけ。タイ料理の代表的な食材なだけに、ここらの寒さには耐えられないだろうと誤解していました。ちゃんと冬越しして高さ70cmほどに成長。味わいも不思議だが、そのライフサイクルも不思議。今年こそ栽培をマスターしたいが、この花芽は食べるわけには行かないかも。

こんな調子で、食いしん坊な話を書いていると、なかなか夏野菜の植え付けまで辿りつきませんので少し端折って…。本日の植え付けはこんな具合で、夏野菜の空間はすっかり埋まってしまいました。手前からショウガ、サトイモ、エダマメで、あとは、キュウリ、米ナス、ナス、トマト、ピーマン、韓国産・国産のトウガラシにタカノツメを植えました。

ショウガが初めてなら、もうひとつ、初めてハヤトウリを植えてみました。

春菊、ミズナ、コマツナ、サニーレタスなどの青菜、フェンネルはすでに育ちつつあり、あとオクラ、ケール、ローゼル、インゲン、シカクマメ、カボチャ、スイスチャードを植えれば、春の陣は終わりです。


  • きょうの一枚 柚子の花

どういうことか大豊作を思わせる柚子。枝という枝にたくさんの花芽をつけました。まだ花芽の段階なので、「捕らぬ狸の皮算用」の恐れなしとはしないが、この木にとって初めての出来事、これまでの不作を精算しそうな気配です。