トマトのひび割れ

7月に入って九州北部を中心に雨が続き、多いときは1時間当たり100ミリ前後と、これまで私たちが経験したことのない記録。ところによっては今月すでに800ミリを超える降雨でがけ崩れや河川の氾濫が発生し、多くの人命が失われ家屋に浸水したりで本当にお気の毒の限りです。心よりお見舞い申しあげます。
ここらも例年よりは雨が多いものの平凡な日々。思わず感謝したくなるというか、雨でトマトがどうなったか、なんてことを気にしてていいのかと申し訳なく感じますが、わが家にとっては真剣な問題!まず今年のトマトを見てください。

これは昨年のトマト。これまでは、色づき始めたトマトは雨に当たるとひび割れることが多かった。

なぜ、こんなにひび割れしていたのか。「浸透圧」という言葉をご存じと思いますが、濃度差のある液体を半透膜で隔てた場合、濃度の薄い液体の水分が膜を通過して濃い方に移動する。簡単にいうとそういうことです。自称Scientific Farmerは、トマトの表面についた雨滴がトマトの内部に侵入するためその圧力でひび割れてしまうのだと思い込んでいたのです。ところが、どうもそれは勘違いであり、ただしくは、雨が降ると土壌中に浸透した水がトマトの根からたっぷりと吸収されトマトの実に供給されてその圧力でひび割れするということではないか、と考え始めました。
それは冒頭の写真を見ても、雨の翌日に撮った次の黄色いアイコ(品種名)を見ても、ひび割れしたものは1個も見当たらないからです。

中玉の赤いトマトも全然ひびわれしていない。

今年の栽培方法はどこが違うのか。それはトマトの根元を黒いビニールシートで覆ってあるという点です。ビニールシートがトマトの根元をおおっているので、たくさんの雨が降っても雨水は地中にそれほど浸透せず土壌水分が多くならない。したがって、トマトは余分の水を根から吸収することがないのでひび割れしない、ということではないでしょうか。

これがどこまで正しいのか。専門家に聞いてみたいものですが、今年のトマトはひび割れしないだけでなく、もうひとついいことがあります。肉厚で甘いのです。家庭菜園をはじめて以来、経験したことのない味わい。ひょっとしたら、これもビニールシートがつくりだす土壌水分の不足状態がトマトの果実中の水分増加を抑制してくれたせいではないかと感じています。じつはこのマルチングは、お隣のAさんのアドバイスを参考にしています。
もちろん、年々品種改良が進められているはずなので、その効果も無視できませんが。ということで毎朝自家産のトマトをつまみながら、世の動きとはかけ離れたところで、ささやかな満足を味わう、家庭菜園家の独り言です。フェンネルローゼル、スイスチャードといった珍しい野菜も順調です。


‐イラガ
昨年豊作だったせいか、今年のカキは実がほとんどない。そのカキの木にイラガの幼虫が発生しました。小さいうちに見つけて退治しておけば、痛い目にあわずにすみます。1齢から2齢幼虫の頃はこのように集まって生活していますが、大きく成長するとそれぞれがほかの枝や葉に移動してそこで暮らすようになるので気づきにくい。

そして、こちらが今年1月に見つけたイラガの繭から羽化して出てきた成虫。

成虫をまじまじと観察することがないので写真をとったらリリースします。