ブリュッセル市内、ワーテルロー周辺でみた植物

「オランダ・ベルギー旅行・植物編」。中身のわりに大げさすぎるタイトルです。できれば10月のうちに終えたいと考えていたのに、とうとう、この最終回を書く前に新しい月を迎えてしまいました。そろそろ、タマネギやニンニク、スナップエンドウなどのことが気になるのですが…。
ブリュッセル市内でみた気になる植物の極めつけは、このヤツデです。

ヤツデはうこぎ科ヤツデ属の植物。学名はFatsia japonica Thunb.で日本産。命名者のツンベルグがそのヤツデをオランダに持ち帰り、その後ヨーロッパに栽培が広まったということです。ツンベルグは、シーボルトの来日に先立つこと50年ほど前に来日していますので、それから計算すると4百年以上前に異国の地にわたった樹木ということになります。
ふだん見慣れた植物のはずですが、そんなことを考えながら、ヤツデをとてもおしく、かつ懐かしく感じたScienitific Farmerでした。場所はブリュッセル北駅近くの公園内。
しかし日頃、見慣れた樹木も外国で見ると、「これは何って?」と感じることがあるという典型はこの木でした。oNLINE植物図鑑で教えて頂いたのですが、中国原産のメタセコイア(日本では化石が発見され、中国で現存することから生きた化石とも言われている。アメリカ産のセコイアに似ていることから、こうした名前がつけられたという)。

くねくねした幹の形と艶やかな色、そして枝葉はこんな風で、あとで考えるとメタセコイアの特徴がよく出ていました。

もちろん、はじめて見る植物もありました。順序が逆になりましたが、公園の入り口付近に生えていたこの木。ピラカンサスに似た真っ赤な実をいっぱいつけた枝に目を奪われてしまいました。

これも、oNLINE植物図鑑で教えて頂きました。Cotoneaster salicifolius(ヤナギバシャリントウそのものではなくてその交雑種ということのようです)ではないかという結論になりました。

これは一度、掲載したものです。ちょうどアセビドウダンツツジに良く似た花が咲いているので、その仲間かとは感じたのですが…。

しかし、花や葉のかげに隠れていた、こんな青い実を見ると、「これはなんだろう」と驚いたのですが、oNLINE植物図鑑に投稿したら、すぐツツジ科の「イチゴノキ」だと教えて頂きました。国内でも都市公園などで栽培されており、実は熟すと赤くなるようです。

この公園は面積6haほど。樹木の生長にまかせている区画ときちんと刈り込んでシンメトリーを基本にデザインされた区画とがありました。
両者の境界線になっている生け垣を刈り込みをしていました。この刈り込みの機械があれば、わが家の生け垣も、もっと綺麗にできるのに…とうらやましく感じながらパチリと撮ってしまいました。

あと、サザンカが花をつけ、ナナカマドが真っ赤な実をつけたりと、たくさんの植物を見ることができましたが、先を急いでブリュッセル市内で見たシンジュという樹木です。これも日本で栽培されています。

これはブリュッセルの二日目に訪れたワーテルローで見つけた牧草みたいなもの。左奥にライオンの丘が見えますが、その周辺で栽培されていました。菊の葉のような形の葉と菜の花のような黄色の花は初めてです。

よく見ると、花の終わった実がついていますが、何となくアブラナ科の特徴のように感じました。

そこでoNLINE植物図鑑に投稿すると、シロガラシ(別名キクガラシ、キクバガラシ) ではないか、と教えて頂きました。このシロガラシは、マスタード用に栽培されるのだそうですが、冬を間近にしたこの季節に花が咲かせているのは緑肥用で、秋に種を蒔き花が咲いたら畑にすき込 み来年までに土を良い状態に整える。つまり地中の少し深いところから植物の根で養分を吸い上げさせてそれをそのまますき込み地中で腐らせ分解させる事により土を肥えた状態にするという目的のものだそうです。こうした農業技術は、北海道でも、開拓時代に欧米から招いた技術者によって導入されているらしく、このシロカラシも緑肥にするため植えられているのだろう、ということまで教えて頂きました。Scienitific Farmerとしては、とても興味深いお話でした。
ライオンの丘からBLAINE-L'ALLEUD駅への3kmほどの帰り道は歩いたのですが、道路沿いの民家の庭で見つけた樹木です。

まるで日本のハゼノキに良く似ています。これも教えて頂いたのですが、Rhus tiphinaというウルシ属の樹木でヨーロッパで栽培され、国によっては「ビロードの樹とか鹿角の樹とか呼ばれ庭木として人気の高い樹木」だそうです。

その近くで見つけた日本のアキグミ(Elaeagnus umbellata Thunb.)にそっくりの木。これもThunb.となっているので、ひょっとしたら…。こっそりと2,3個つまんでみたら、味は甘かった。すみません!

最後に、日頃、見慣れていたのに、すぐに名前を思い出せなかった樹木をもうひとつ。アメリカフウという樹木で、日本でも街路樹として植えられたり、公園などに良く植栽されています。葉を見るとカエデの仲間だとすぐわかりますが、トゲトゲした球果をみると思わず、これは?と思ってしまいました。

ということで、今回の「旅行で見かけた気になる植物編」はこれで終わりです。まだまだ写真があるのですが。
幕末の頃に活躍し、プラントハンターと呼ばれた収集家・研究者によって、日本からヨーロッパに運ばれた植物のことを書いた本がありそうです。そのうち読んでみたいと思います。

名前のわからない植物は、oNLINE植物アルバムへどうぞ!

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