ムラサキシキブ、コムラサキ


ムクゲとプラムの間でひっそりと育つムラサキシキブここにもありますが、薄紫色のかわいらしい花を咲かせました。秋には、美しい紫色の実をつけますが、この花や実を見れば、源氏物語紫式部にちなんでこのような名前がつけられたことも納得できます。
ムラサキシキブと呼ばれはしても、家庭で栽培されたり園芸店で売られているのは「コムラサキ」である場合が多いようです。和名のコムラサキは、ムラサキシキブよりも樹形が小型という意味と解されます。わが家のものは岐阜県産のコムラサキです。
ムラサキシキブの英語名は Japanese Beautyberry。これに対して、コムラサキは Chinese Beautyberry。学名の命名者は、それぞれ18世紀末に日本を訪れたスェーデンの植物学者ツンベルギーと19世紀に日本を訪れたドイツの植物学者コッホ。彼らは、日本で多くの植物を採集しそれらに名前をつけています。
命名者はいろいろと考えて名前をつけたのでしょうが、なぜJapaneseに対してChineseなのか。さらに米国にはAmerican Beautyberryと呼ばれる種があるとなると、研究者の方々も意外とお茶目だなと感じるのですが、いかがでしょうか。