昆虫の季節

今年は梅雨明けが早かったのに天候不順。そして裏日本を中心に、超局地的な豪雨が降り大きな被害が出ています。ところが関東は水不足。前回も書きましたが、雨不足でもわが家の畑の野菜の生育はほとんど問題がないが、できればもう少し雨が降ってくれたらいいな、と願いたくなる日が続いています。きょうも時折、雨粒がぽつぽつと落ち始めたので期待していると、じきに止んでしまう。畑をのぞくと、土はほとんど濡れていないという具合です。

ここは、ハクサイを植える区画。左側の列はローゼル。昨年ブログ仲間のmiyotyaさんに種を頂いて、今年で2年目の栽培ですが、とても元気に育っています。そろそろ花芽が出始めるでしょう。
ところで今年は珍しい昆虫が発生しました。

ニンジンの葉を食べる体調3cmほどで、黒い背中にペンシルストライプの白い線があって、赤い頭部に黒い目と、なかなか写真うつりのいい昆虫です。初めて見つけたのが先月の20日で、その時は30から40頭ほどいて、近寄っても逃げる気配は見せず、ひたすらニンジンの葉を食べていました。調べたら、マメハンミョウという名前で、体内に猛毒を含むというのです。しかもうっかり潰して、体液が手や肌に触れると火傷のような症状になるというから、じつにこわい昆虫です。
これが1週間過ぎると、なんとニンジンからインゲンの株に移動して葉を食い荒らしていました。

これを見て、マメハンミョウという名前に納得。マメ科の野菜を好む虫だったのです。隣の大事なエダマメはネットをかけてあるので食べられてはいないが、人体にまで害を及ぼす昆虫が勢力拡大中ということで、一大決心して速やかに退治することにしました。まずハクサイの予定地に窪みをつくり、そこに新聞紙で火を起こし、インゲンの株の根元をそ〜っと鋏で刈りとり、虫ごと火にくべる作業を繰り返したのです。

身の危険を感じてネットを伝って逃げ出すものもいましたが、これはインゲンの株で払いおとし長靴で踏みつぶす、そこまで徹底した作戦でした。初めてみたマメハンミョウ。突然、これが発生した原因やどこから来たのかなどは、いまのところまったく不明です。
よく見るとネットの上には、大きなアリのような恰好のホソヘリカメムシの幼虫が何匹もいました。ネットの中にエダマメがあることがわかっているのでしょうか。

そしてバッタも、なんだか恨めしそうにネットの上を歩いていました。

これはブチヒゲカメムシ。ヒゲにブチがあるので、そういう名前がつけられたようですが、これらのカメムシは、エダマメの柔らかい莢に針のような口吻と呼ばれる針を刺して豆の汁を吸ってしまうのです。

針を刺されると莢は捻じれてしまい成長が止まる。何種類かのカメムシは、シロイチモンジマダラメイガとともに、エダマメの2大害虫と呼ぶことができます。これは去年のエダマメです。かなりの莢が被害を受けて、ほとんど食べるところはない状態でした。せっかく、たくさんの莢がなったのに!大部分が虫食いなのです。

写真は、今年3回目の収穫です。防虫ネットをかけただけで見事な結果を得ることができました。しかも嬉しいことに、今年は3粒入りの莢が全体の5,6割はあります。

ところでこの季節は、いろんな昆虫がみられます。これはベニシジミシジミチョウの中ではとても美しいチョウです。

例によって、コアシナガバチは生垣のイヌマキに巣をつくり、子育てに懸命です。写真の最下部と右上に肉団子を持った蜂がいますが、巣の中の幼虫のためにアオムシを捕殺し運んできたというわけです。スズメバチの仲間ですが、いたって性格は大人しい。

今朝は、アブラゼミの羽化も見られました。土中で何年も過ごしたセミの幼虫は、蛹になって地上に出てきて羽化した成虫が再び卵を産むというサイクルを繰り返しているのです。命をつなぐため、DNAに刻まれた設計図に従っているとはいえ、とても神秘的!

これまで、わが家の畑に発生して、一網打尽に駆除された昆虫は、イラガと今回のマメハンミョウ、あとアメリカシロヒトリ…くらい。人を刺したり、野菜に害を与える害虫。たまたま野菜の害虫の駆除に役立つ益虫。外見が美しいことから、人に好かれる昆虫とさまざまな生命活動を展開しています。
結局、昆虫たちに囲まれ、助けられて野菜づくりを楽しむことができるわけで、その分、小さな生き物たちに対して、できるだけ迷惑をかけることがないようにしたいと思いながらも、今回のマメハンミョウのようなことが起きてしまうのです。



ーきょうの一枚 ニガウリ
ところで、じつはこのブログは1000回目を迎えました。皆さんに応援を頂き長く続けられたおかげで、昆虫についての知識が増えました。その感謝の気持ちをこめて、今回は昆虫の話題を書いてみました。そういえば第1回はイラガでした。一方で野菜の栽培法も少し進歩したかも知れません。いまニガウリが鈴なりです。そして、今月末は、いよいよハクサイの植え付け。ヨトウムシなどの害虫との知恵比べが始まります。