ハクサイの被害、オオミズアオの繭

わが家のハクサイキムチづくりには、自家製の無農薬ハクサイが欠かせない…、と思い込んでいます。八百屋さんで買ったものでも大丈夫のはずです。気分の問題ですかね。
2週間前に移植したハクサイは無事に育っていますが、少し被害が出ました。防虫ネットとマルチシートで虫対策をしたのに完璧ではないということです。たとえば右端の株は完全に枯れています。この枯れ方は、ヨトウムシの被害とは違います。

こんなときは、根元の土を注意深く掘り起こしてみます。すると、根切り虫と呼ばれる、コガネムシの幼虫が2匹出てきて、しかもハクサイの細根はきれいに食べられていました。細根を失ったハクサイは土壌中の水分を吸収できなくなり枯れてしまうのです。

コガネムシの幼虫は、自家製のたい肥に潜んでいたものです。落ち葉を腐らせてつくるたい肥のなかには、コガネムシの幼虫がたくさん棲んでいます。幼虫が棲息するたい肥を使えば、ハクサイの1,2本は被害にあっても仕方がありません。幼虫はふたたび落ち葉たい肥の中へ返しましたが、施肥するときには注意が必要です。

もちろん、ヨトウムシの被害も見られます。コガネムシがハクサイの細根を食べるのに対して、ヨトウムシは苗の根元をハサミでぷっつりと切るように切断します。ただし、下段の右から2株目のように、葉っぱを食べるだけで、致命的な被害を与えないことがあります。ハクサイが大きくなった場合に見られる被害で、これなら枯死することはありません。しかし結球しかけたハクサイの葉を好きなようにかじられてしまうと、もはや使用に耐えられません。栽培者にとっては致命的な被害です。

昨年は天候に恵まれ、しかも害虫対策がうまくいったおかげで、写真のような1個5〜6kgもの大玉のハクサイを収穫することができました。

とれたてのハクサイに包丁をいれると、内部の応力でバリバリと割れてしまいます。そこでキムチをつくるには、まず半割にして半日ほど陰干ししたものを小割して塩漬けします。写真は半割したハクサイですが、虫の被害は一切見られません。

今年は昆虫の多い年です。畑の富有柿や渋柿、プラムは、俗に「アメシロ」と呼ばれる、アメリカシロヒトリによって、被害を受けています。こんなに多いのは初めて。

そしてハヤトウリの雄花がたくさん咲いているせいか、蝶やスズメバチが吸蜜に訪れます。畑でみられるシジミチョウの仲間には、ベニシジミヤマトシジミ、ウラギンシジミがいますが、なかでもウラナミシジミの数が多いように感じます。

Wikiでウラナミシジミを調べてみました。


成虫の前翅長は15mm-20mmほど。翅の裏には薄い褐色と白のしま模様があり、和名はここに由来する。翅の表は光沢のある青色に黒褐色の縁取りがあるが、オスが青色部分が広いのに対し、メスは青色部が少なく、黒褐色が大部分を占める。また、後翅の後端には黒い斑点が2つあり、2つの斑点の間には細い尾状突起が突き出ている。この黒い斑点と尾状突起は複眼と触角に似ていて、頭部に似た模様をもつことで身体の方向や頭部の位置について敵の目をあざむいていると考えられている。
2つの斑点の間にある細い尾状突起はこちらの写真の方がわかりやすいかも知れません。シカクマメの花にとまっていました。この蝶は、クズなどのマメ科の植物の花やつぼみ・実を餌にします。ということはエダマメの害虫かも知れない。

蝶以外の昆虫としては、攻撃性の強いスズメバチがよく飛来しますが、悪戯をしなければそんなに恐れる必要はありありません。狩バチの仲間なので、大発生しているアメリカシロヒトリの幼虫でも食べてくれるのかというと、そうではありません。

Wikiによれば、スズメバチの目的は吸蜜です。

成虫の餌は、主として終齢幼虫の巨大に発達した唾液腺から分泌される栄養液である。この液には5-20パーセントの糖分、1.3-1.8パーセントの可溶性タンパク質が含まれており、この点では人乳の組成に近い。この栄養液の不足分や終齢幼虫がまだ育っていない時期には糖質を多く含む花蜜、樹液などを摂取している。エサが不足すると、幼虫を臨時の食糧とすることもある[3]:179。また、成虫同士で口移しで体内のエサのやり取りをすることもあり、狩りの際の重要なエネルギー源となっている。
これがハヤトウリの雄花。たくさん咲いており、スズメバチやウラナミシジミが盛んに蜜を吸いにきます。

先週は、久しぶりにオオミズアオの幼虫を見つけました。場所は、住まいの近くのユズリハの木の上です。大きな糞が落ちているので、「もしや!」と頭上を見上げたら、ユズリハの葉が見事に食べられていました。

糞の形状と食べ方を見れば、オオミズアオに間違いありません。ユズリハの枝を注意深く観察すると、大きな幼虫がもくもくと食事中でした。先週2日(金)のことです。

翌日3日は土曜日なのに、珍しく仕事で栃木方面に出掛ける用意をしていたら、知り合いの奥様から、Lineで「これ、何?」と写真が送られてきました。ワンちゃんの散歩に出かけようとして、例のユズリハの下で見つけたというのです。茶色っぽくなったオオミズアオの幼虫が写っていました。蛹になる一歩手前です。
すぐに飼育箱をもって外に飛び出し、ユズリハの葉を数枚飼育箱にいれ、幼虫をそっと乗せ自分の部屋に持ち帰ったところまでは良かったのに、電車の時間が気になって写真を撮るのを忘れてしまいました。
夕方帰宅したらこの状態。つまり幼虫の姿が見えないのです。

飼育箱の裏側をそっと見ると、ユズリハの葉の裏に繭らしきものが見つかりました。それがこれ。飼育箱の中に入れられたオオミズアオは、糸を口から吐きながら繭をつくり、その中で蛹になったものと思われます。オオミズアオの繭に動きがあれば、報告します。

繭という字には、糸と虫という字が入っていることからわかるように、もともとは糸でつくられた、蛹を保護するものが繭です。蛾の仲間には、繭の中で幼虫から蛹になるものがいます。カイコガやヤママユガ、クスサンなどがそうですが、一方でスズメガの仲間のように、繭をつくらず土のなかに潜り蛹になるものもいます。ここらは別の機会にしっかりと勉強してみようと思います。ヤママユガは、緑色の繭をつくり、妃殿下がその繭を紡いで織物を織られるという話はよく知られています。ちなみにオオミズアオヤママユガの仲間です。


紫の花弁に、ほぼ補色関係にある黄色の小さい花が4個という構成。花粉は黄色い花にはなく、長い雄蕊の先にあります。