アブラムシの冬越し

寒い日が続いています。この季節の畑の小さな生き物の代表はアブラムシです。夏はほかの植物で生活し、冬越しのためにわが家のビックリグミの木に帰ってきます。これが暮れの様子。冬の寒さに耐えられないので卵で越冬しますが、よく見るとまだ成虫の姿が見られます(左上の隅)。生み付けられた卵は黄色ですが、時間がたつと黒色に変化します。

何回も書いていますが、この小さな卵は春先に孵化して、ビックリグミの新芽の上で生活します。新芽の先に見える粒々のものがアブラムシの幼虫です。この写真は平成17年。余計なことですが、ビックリグミの木はまだ小さくて枝は若々しく肌も綺麗です。上の写真とは大違い!

下の写真でアブラムシの幼虫の様子がよくわかります。写真には写っていませんが、ビックリグミの口は、専門的には「口吻(こうふん)」と呼ばれる細い針のような形をしていますが、これを堅いグミの芽にどういう風に刺すのか不思議でなりません。

こんな小さな幼虫が植物の汁をいくら吸っても、たいした被害はありません。問題はこの頃に発生するすす病。私はアブラムシが樹の汁を吸うときその病気をうつすのではないか、と想像しています。天候の関係でアブラムシの姿が皆無のことがありますが、その年に限ってすす病が発生しないのです。
これは平成22年の3月。桜の開花と雪が同時の年のこと。アブラムシはまったくいなかったのです。細枝にかわった卵がついていますが、これはたぶん蛾の1種の卵だと思います。

この年のグミの新芽、花は素晴らしかった。この木がここで育つようになって初めて経験する美しい姿でした。

すす病が発生すると、この美しい新葉や花が全部落ちてしまうのです。そのあとはどうなるか。グミは再び新葉を出しますが、花芽はつかないのでグミの実がなることはありません。
ということは、今年の春もビックリグミの実は期待できないということ。残念ですが、自然の摂理とでもいうのか。でも農薬をかけてアブラムシを退治するつもりはなく、これまでも一度もそんなことはしていません。これはこれで何かのプラスがあるんだろうと気長におつきあいしていますが…、そろそろほかの果樹と植え替えようか、という声も出ています。



ーきょうの一枚  紅白梅
ベランダの紅白梅は、そろそろ蕾が膨らんできてこの3連休には咲きそうな気配。もう何年目になるんだろう。