電車でブルージュへ移動

<16日、無事に帰り着いて時差ぼけと闘いながら整理…。あとで書くのは大変です!>
この日はオランダのハーグからベルギーのブリュージュまで国境を越えて列車で移動。列車で国境を越えるという旅はまったく初めての体験。果たしてどういうことになるのか。ベルギーといっても馴染みはないが、一体どんなお国柄なのか。まぁ、ちょこっと立ち寄るだけでは、たいしたことがわかるわけはないが…。
ブルージュへの直通電車はないのでハーグとブルージュとのほぼ真ん中にあたるアントワープで乗り継ぎしなければならない。アントワープはダイアモンドの研磨・販売で有名らしいが、日本では「フランダースの犬」で知られているのかも知れない。時間があれば、途中下車してみたいが…。
ハーグからの車窓はのんびりした田園風景。収穫を終えた畑や、のんびり草を食べる牛が見えたり、畑と畑との間に植えられた樹木の形もさまざま。それらをぼんやり眺めがら、あれはなんの木だろうななどと詮索しながらの旅になりました。アカマツらしい木も見えたりしました。

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1時間ちょっとで電車はアントワープに到着。国境を越えたというのに、それらしい手続きは一切なし。ただ、国際線のこのコースは窃盗団やスリなども増えていて、被害にあう日本人も時々いるとか。
中央駅は3階建てか、4階建て。次の電車に乗るために階段を上って上の線路に移動すると、鉄骨とガラスでできたドームがあってとても美しい。旅行の本では「鉄道の大聖堂」とか称賛されると書かれているくらい。それほど時間がないようなので途中下車はしないことにした。
驚いたのは、乗り継ぎの電車のホームが発車直前になって変更になったことだが、こちらではこういうことしばしばあるようだ。

1時間あまりでブルージュ駅に到着。駅からホテルまではほぼ1キロだが、ここでもタクシーを利用したが、車のタイヤが石畳の道をゴトゴト音を立てて走る。
ホテルにチェックインして、さっそくブラブラと市内観光に出かけると、再び街中の道は石畳だらけ。それに目が慣れると、たまに現れるコンクリートの路地がノッペリとした感じに見えるから不思議。あちこちに高い塔が建っていて、立ち並ぶ建物はかなり古い。こうした街には石畳がピッタリ。ボビンレースが名産とかで、専門店もあちこちにある。

家の造り、色合いを含めて街並みがきちんと保存されていて、建物の中ではチョコやワッフル、オルゴールなどの土産物が売られていてそれを見る客で溢れていた。中世時代の古いギルドハウスという建物がそのまま使用されているというが、街全体が屋根のない博物館と喩えられるのももっともという感じ。街の中心地に世界遺産に指定されたサンクト広場があって、世界から観光客を呼び寄せているということのようだ。
歴史的にはブルージュハンザ同盟の主要都市として栄えたが、15世紀に運河が泥で埋まって以来発展がとまり、逆に中世の街並みがそのまま残されたことが、現在の観光スポットになったという。何が良くて悪いのか、長い目で見ないとわからないという好事例。それでも観光振興に向けて地元の方々が大変な苦労や工夫を重ねている結果があればこそ、ということかも知れない。
時折、「かっ、かっ、カッ」と鋭い蹄鉄の音を響かせながら観光用の馬車が走ってくる。石畳と馬のひづめの音は日本にはないもので、Back to the…の世界にいるような錯覚を感じさせる。

ブルージュという街の名前は「橋」という意味らしい。それくらいここは運河にかかる橋が多いということ。小雨まじりの中、ここでも運河巡りの小舟に40人くらいの客に混じって船に乗りました。船頭兼案内人が客の国籍にあわせて、日本人をみると「こんにちわ」と声をかけるし、案内は同じ説明をドイツ語、フランス語、オランダ語、英語で4回繰り返すという器用さ。

ここで驚いたのは、アムステルダムのシンゲルの花市で出会った日本人家族との再会。花市でカメラのシャッターを押してあげただけだったのに、それが再び、今度は同じ船に乗り合わせるとは。なんという偶然でしょう。狭い船の中なので、問わず語りに聞いていると、この3人連れはブラジルに移住して30年目のご主人と50年目の奥さん、それにロンドンで英語を勉強中の娘さんだという。最近母親を看取ったり、奥さんの足の故障が直ったりしたので、それをきっかけに留学中の娘さんをロンドンに訪ねて、その足でパリに回りレンタカーを借りてオランダ、ベルギーを旅行中だという。Bricsとしての成功、16年のオリンピック開催決定などがあって、またブラジルは大きく発展するだろうと自信たっぷりに語るご主人は、移住などのさまざまの苦労を乗り越えて、相当の成功を収めた方のようにお見受けしました。南米特有の明るさむき出しの快男児とそのご家族にお会いできて、旅のいい思い出になりました。
二度あることは三度あるというが、今度はどこで出会うのだろうと…。街で見かけたナス科のこの植物。ひょっとしたら、あの…?まさか!

この植物は、oNLINE植物アルバムで、ナス属のソラナム・ラントネッティと教えて頂きました。
初めてのベルギー、この分だと、この先も楽しみ…。