木の日のイベント

「十」と「八」を組み合わせると「木」という文字になることから10月8日が木の日として定められて30年あまりがたちました。木材青壮年団体連合会などが1977(昭和52)年に提唱したのが始まりのようです。日本の10月は気候が安定していて、古くから建築に適した季節でもあります。こうしたことから10月には「木」のPRのため各地で、さまざまな行事が開催されます。
ことしの10月8日は水曜日。平日にご家族をターゲットにしたイベントを行っても人が集まらない。ということで前倒しの形で、きょうと明日の土、日に江東区・木場にある木場公園で「木と暮らしのふれあい展」が開かれました。自称Scientific Farmerも、現地に出かけてきましたが、「土と生き物」、そして「木」という「自然つながり」ということかも知れません。

木場と言えば、かつては木の街。江戸以来、木材の供給を担ってきたところです。都市化の波が押し寄せて、実際の木の街はもっと海に近い新木場に移転しています。いまに残されている面影的なものは鋸の目立て屋があるくらいでした。
それにしても空は秋晴れでとても気持ちがいい。地下鉄東西線木場駅で電車を降りて、数分歩くと東京都が管理する木場公園の入り口。こんなところに広い公園があるなんて、初めて知りました。公園内に入ると家族連れやワンちゃんの散歩をかねた方々がたくさんいました。仙台堀川を越える歩道橋を渡ればイベント会場。会場周辺のお客は、まだそれほど多くなかったのですが、昼前になると増えてきて結構賑わっていました。

このイベントのねらいは、木とふれあいながら森や木の大切さや良さを知って頂こうということ。とくに地球温暖化対策の一つとして二酸化炭素の削減が国際的な課題になっており、日本は6%の削減を国際約束にしていますが、その5割以上に当たる3.8%を森林の吸収で行わなければなりません。そのためには、元気な森林を育てる必要があるのです。

主催は東京都と都の木材団体。たくさんのテントが張られ、その下では木製品の展示即売会や子供向けの木工教室などが開かれていました。木挽き職人の方が大きな鋸で丸太を挽く実演なども行われており辺りにはクスノキの香りが立ちこめていました。この方は戦後まもなく19歳で木挽き職人になり、いまでは日本に一人しかいないという「林 以一」さん。新聞やテレビで見たことはありますが、じかに見るのは初めて。かつては国内にこうした技術者が300人もいたというのですから。

「あたしもやってみたい」と小学生が木挽きに挑戦。林さんがやると簡単に見えるのですが、さすがに鋸は重そうです。クスノキの鋸屑を集めて、大事そうに持ち帰る方もいました。

その横では、東京芸大の彫刻専攻の学生さんたちが木彫に取り組んでいました。「材料の入手は大変でしょう」と質問したら、未来の芸術家はニッコリ笑顔で「木材屋さんが学割で売ってくれますから大丈夫」という答。まことにいいお話でした。

こちらは木工教室。真剣な眼差しで板を鋸で挽いたりボンドで接着したりしていますが、何ができあがるのでしょうか。でも、なかなか手つきがいいですよ。

食事コーナーでは、缶ビール、おでんや焼きそばが売られていて、慣れない手つきで一生懸命焼き鳥を焼く姿がありました。会場内にはテーブルやベンチがあって、あちこちでビール片手に談笑する姿も見られました。

東京都の面積の三分の一を占める森林からは、かつては木材が切り出され都民の暮らしを支えてきたそうですが、科学技術の進歩で様々な建築材料などが開発され、木材価格も低迷していることから、森を支える林業がすっかり元気を失っている。森林は二酸化炭素の吸収・固定だけでなく、さまざまな効用がある。このため東京都では都民の皆さんの理解と支援を頂きながら、この森林を健全に育てる努力をしており、もっと国産の木材の良さを知って多いに利用して頂きたい、ということでした。

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