ベルサイユ宮殿の庭園とパリの小さな植物園

  • 錯覚しそうな気分

26日午前はベルサイユ宮殿を見学しました。パリから車で1時間のところにあります。この宮殿抜きにフランスの近代史を語ることはできない、と言ってもいいくらいの場所です。日本人にも関心の高いところのひとつかも知れません。
バスはブローニュの森の横を抜けて一路宮殿に向かいました。道路の法面に黒い兎がいるというのですが、この日もバスの窓から見えたようです。ロンドン、パリともに市内は、激しい交通渋滞があります。この日は土曜日のせいかスムーズでした。ベルサイユ市内に入ると、“セイヨウボダイジュ”の並木が目につくようになりました。宮殿に到着すると、続々と大型の観光バスが押し寄せていました。ガイドさんのご案内でルイ王朝の栄華のあとが残る数々の絵や彫刻、銅像、装飾品を見学しました。バスの中で聞いた宮殿に関するガイドさんの事前説明はとてもメリハリが聞いていて、大変参考になりましたが、建設に30年を要したという宮殿の迫力は、際だっています。つくづく王様の権力のすごさを感じました。

私はここの庭園に興味があって一刻も早く見たいと思っていました。鏡の間と呼ばれる部屋の窓から快晴の空の下に一面の緑が広がっているのが見えました。現在は日本の皇居の面積の4倍はあるというのですが、かつては皇居の面積の12倍あったそうです。並みの広さではありません。

庭園の見学はガイドなし。一人で約1時間ほどの散歩になりました。当時盛んに演奏されたであろう宮廷音楽が庭の各所におかれたスピーカーから流れて、それに包まれながら豪華な彫刻品が飾られた園内を歩くと、足元ではザクッ、ザクッと砂利を踏む音が響きます。ブルボン王朝の絵巻とでも錯覚しそうな気分…。

観光客の中には新婚さんらしい日本人のカップルもいました。最近の方はこうした景色にも良くマッチして絵になります。バックは宮殿です。

日本の庭園と違って直線や曲線に整形されたシンメトリーを基本としたデザインで、植裁されている樹木は高木はマロニエ、低木はさまざまの形に刈り込まれたツゲ、といった具合にシンプルな組み合わせです。

20分ほど歩くと大きな噴水のある池があって、その横には大木のプラタナスの並木もありました。かなりの年数を経ているようです。

左右の植裁の中にはところどころにレストランがあって、建物の壁に這っているクレマチスに似た薄紫の花が目につきました。日本のクレマチスの花びらは6枚以上ありますがこちらは4枚。
何種類もの野鳥がいるようで鳥の澄んだ鳴き声を聞きながらエスプレッソを一杯飲んでいたら約束の時間になったので、あわててバスに引き返しました。運河の奥にはマリーアントワーネットのあずま屋などがあるというのですが、そこまで行くのは諦めざるを得ませんでした。まったくの予備知識なしに宮殿や庭園を見学しましたが、帰国後図書館で借りた「ヴェルサイユの春秋」という本で、この宮殿の沿革や歴史を知ることができました。

パリに帰り着くと午後は自由時間、一人で地下鉄を使ってパリ市内の植物園に行く予定です。フランス語ができないので、うまく行き着けるかどうか心配でしたが…。

  • 世界でも古い植物園(Jardin des Plantes)

日本を出るときは、パリではブローニュの森を散歩したいと考えていたのですが、ホテルからは交通が不便なので、むしろセーヌ河沿いの植物園の方がいいのではないかと言う助言を頂いたのでそれに従うことにしました。たしかに地図片手に道を聞きながらですから、あまり無理はできません。道はすぐにわかりましたし植物園は入場無料。Jardin des Plantesというのは、“小さな植物園”という意味のようですが、パリの中心地にあって国立自然博物館に所属し、パリ大学の理系の校舎、動物園を含めて約23haの面積だというのですから、決して小さいとは言えない規模でした。
園内の中央には長さ500mの大広場があって両脇をプラタナスの並木が縁取っており広場の正面に大展示館、右側に世界各地の植物を陳列する生態園と学生の勉強のための教育園があり、その外側に動物園が広がっていました。中央広場では季節の花が咲いており年間には1000種近くの花が栽培されるそうです。

生態園では日本のトベラのほかギボウシやシャガの仲間、中国、アフリカ、オーストラリアなど世界の植物を見ることが出来ました。それから、大好きなテントウムシも見つけました。

天気が良くて、動物園があるせいか幼い子供連れの若夫婦の姿が多く、市民の憩いの場としても使われていました。そもそもはルイ13世の薬草園として1635年に開設され、のちに研究や教育、貴重な植物の保存のための植物園として整備されてきた歴史を持っており、歴史上の重要人物との関わりもあるということですので、その辺りはもう少し勉強してみると色々と興味深い事実が見つかるかも知れません。

明日は、フランスの田舎の旅です。

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