イヌマキの場合

久しぶりに畑に行ってイヌマキを見て、はたと気づいたことがある。常緑樹のイヌマキの落葉は、コンロンヤマボウシとは違うということ。落葉のパターンにもいろいろあるようだ。

イヌマキは、暖かい地方の山中で大木に育ち、材は堅くてシロアリ、水湿に強い。このため、建築材として重宝される。名前の由来は外観がマキ、つまりコウヤマキに似ているということではないかと想像するが確証はない。どなたか、ご教示願いたい。
植物名に「イヌ」をつけるのは、「ニセモノ」、またはよく似ているが、本物ではないという意味合いを表す場合が多い。イヌザンショウ、イヌツゲなどがその例である。もちろん、犬にちなんで「イヌ○○」という名前をつけられた植物もある。オオイヌノフグリなどであるが、誰がこんな面白い名前をつけたのだろう。
イヌマキの場合、「イヌ」なしでただのマキと呼ばれることが多い。潮風に強いので、防風垣や庭園木として植栽される。最近では、中国では日本から輸出されたものが、庭園木として珍重されているようだ。イヌマキは利用価値が高い。それゆえに「イヌ」をつけないでマキと呼ばれるのかも知れない。
話を戻すと、常緑樹と落葉樹の違いは何かということ。紅葉や離層の形成の仕組み、時期などに基本があるのでは。「そんなことに関係ありません」といわんばかりの風情で、イヌマキは順調に育っています。

木がわかる―知っておきたい木材の知識

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