姿かたち

畑には、いろんな生き物がいてそれぞれがさまざまな形をしています。見るからに美しいものもあれば、そうでないものもいます。人は誰もが美しいものを好み、そうでないものには嫌悪感を感じることさえあります。しかし一方的に毛嫌いされてもムシたちはその姿を勝手にかえるわけには行きません。人もムシもそして木も花も、親にもらった遺伝子情報にそって設計されているからです。人間は化粧や衣類でカバーするが、ムシたちはそれさえもできません。

(リンゴケンモン? 樹木はプラム)
子供のころは、アオムシを見ただけでも恐怖感を感じたものです。しかし、最近はそれほどでもなくむしろ親しみを感じるようになりました。良く観察すると、とても綺麗な模様をもつものが多いのです。もちろん、いまでも好きになれないものもあります。その代表はヘビ。美醜や好き嫌いの基準には個人差があるし、また年齢を重ねるとともに変わるもののようです。

モモスズメガの幼虫?樹木はプラム)
古くから日本には「山川草木悉皆…」とか言う、自然界の色々のものを慈しむ思想がありました。いきなりムシの嫌いな方にそのようなことを言っても無理だし、押しつけがましいような気がします。
が、できればムシを毛嫌いすることは避けたいもの。「毛嫌い」することで、せっかく備えた感性というのか、五感というのか、が遮断されてしまい、新しい発見ができなくなります。次の展開がストップするのでは、もったいないと思いますが、いかがでしょうか。