ヘチマ、ナーベラ

ヘチマがようやく実をつけ始めました。昨年も9月中旬ごろからだったような気がします。ところで、ヘチマを食べるというと、関東ではたいていの人が目を丸くします。そして「えっ、タワシか、ヘチマ水でしょう?」と疑い深そうな目で聞かれることが多い。ヘチマは食べるものと考えている人たちは、そのことに目を丸くします。

沖縄ではヘチマをナーベラと呼ぶらしい。ゴーヤにつぐ食材だと聞きます。ヘチマを食べる習慣のある鹿児島で生まれ育った私は、毎年ヘチマを栽培しています。近くの園芸店では、たくさんの苗が売られているんです。6月ごろに植えれば、8月ごろには鮮やかな黄色い花が咲きはじめます。近所の人から「あれは、なんですか」と聞かれることが多い。そのたびに、「ヘチマです。食べるんですよ」と説明します。そして「食べてみますか?」と聞くと、ほとんどの人がイエイエと即座に遠慮したような表情をします。じつはヘチマには、特有の食感と香りがあるので、こちらも本気ではすすめません。
わが家のヘチマ料理のレシピは実に簡単。フライパンにサラダ油をひきニンニクを炒め、香りがでたら豚のバラ肉を炒める。豚肉に火がとおったところで、皮をむいて半月切りにしたヘチマをぶっこみ強火で炒める。ヘチマがしんなりしたら中火にして材料がひたひたになるくらいのお湯をたす。しばらく、トロトロと煮て隠し味に黒砂糖を少量いれ、さいごに麦味噌をいれたらできあがり。そのまま食べてもいいが、冷えたのをご飯にかけてサラサラとかき込むと何とも言えずうまい。ヘチマはいろいろと体にいいと聞く。美容効果のあるヘチマ水の素を食べるのだから、体の中から綺麗になるかも知れない。
職場の近くの中華料理店には、わが家のヘチマを心待ちにしている台湾出身の人がいます。彼女たちは、豚肉ではなくハマグリを使い、塩で味をつけるそうです。ご飯にかけて食べるのが一番おいしいといいます。料理の材料が少し違うのに、このあたりがヘチマの不思議なところです。そろそろ畑に秋風が吹くようになると、ヘチマ水のシーズンがやってきます。今年は、試しにとってみようかな。

(ニガウリとヘチマで共有してきた棚も、この季節になるとニガウリは終わりヘチマが占有している)

ヘチマコロンの化粧水 400ml

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庄内 へちまたわし1本

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