春爛漫のわけ

春の訪れとともに梅や桃、菜の花、椿が満開になり、いよいよ春爛漫の季節を迎えます。「迎えます」というのは桜が遅れているということ。桜の開花は今週末になるかも。まず畑の梅の開花から。これはひと月前。どういうわけかこの木の結実は期待薄です。

いま満開のプラム。左がサンタローザで、右がソルダム。これまで主役だったサンタローザは花がとても少ない。今年はお休みなのかも知れない。

それに引き替え花の多いソルダム。結実が楽しみ。

玉之浦もたくさんの花を咲かせた。蕾の数はこれほどなかったように感じていたが。

江戸川の河川敷では、満開のからし菜が甘い香りを漂わせている。

空から見たら、江戸川に沿って黄色い帯が海までつながっているかも知れない。

河川敷の賑わいは花だけではない。野鳥のコゲラも姿を見せました。

ところでどうして植物は、毎年同じ季節に花を咲かせるのか。もちろん秋に花を咲かす植物もありますが、いまの季節でいえば春爛漫はどうして起こるのか。そ先週紹介した「植物の体の中では何が起きているのか」には、どう書かれているかのか。
植物が花を咲かせるのは実(タネ)をならせるためであり、風や虫の力を借りて受粉して実をならせるには、一斉に花を咲かせた方が効率的だということ。この「開花」には仕掛けがあって、ひとつの個体が「開花」の時期を迎えると、ある種のホルモンを放出し、それを感知したほかの個体も「開花」を誘導されることがわかってきたようです。
もちろん植物の「開花」には、それに先立って花芽が形成されている必要があります。花芽の形成は、葉で光(日の長さ)と温度の変化を感じ取り、日の長さや温度が一定の条件を満たすと、茎の先端の分裂組織で葉や茎をつくるかわりに花芽がつくられるというのです。花が葉の変形であることを最初に指摘したのは、ドイツの文豪ゲーテであり、1790年に「植物変態論」という本を出したというから驚きです。ゲーテの仮説は、約200年後の1991年に遺伝子レベルで証明されました。葉で感じ取った季節の変化を茎の先端に伝え花芽をつくり、さらに「開花」を促進するという植物の性質は、菊の花に当てる光の長さを調節することで、開花時期を遅らせる「電照菊」の栽培などに取り入れられています。春爛漫から、少しややこしい話になりましたが、葉が感じ取った日の長さを茎の先端の分裂組織に伝えるには、ある種のたんぱく質が作用しているということですが、そこらはまたの機会にします。


  • きょうの一枚  模型飛行機

これも河川敷の賑わいのひとつ。しかし最近の模型飛行機はガソリンエンジンから電気のモーターにかわっていて音が静か。そこから、からし菜の帯が見えるかな!