銘花・玉の浦の挿し木

昨日は、畑の椿「玉の浦」の挿し木をしました。ツバキのような常緑広葉樹にとり梅雨時期が挿し木の適期とされています。樹木の苗をつくる方法は、種子から苗木をつくる方法と挿し木や接ぎ木などによる方法があります。前者は有性繁殖法と呼ばれ、受粉の結果できる種子を使うので、苗木には雄木、雌木の双方が持つさまざまな遺伝形質が受け継がれます。より優れた次世代ができる一方で、そうでないものが誕生する可能性を含んでいます。
一方、無性繁殖法だと、苗木に親木の形質がそのまま継承されますので、突然変異で生まれた玉の浦のような形質を持つ苗木をつくるには、挿し木か接ぎ木、取り木がベストだとされています。挿し木は、数年前に2回試しましたが、まだ成功したことはありません。東側の日当たりのよいベランダで管理したことも一因ではないかと考え、今回は北側のベランダで管理してみることにしました。うまく行けば2週間ほどで根が生えて、1か月もすれば成否がはっきりするはずです。
玉の浦の原木は、長崎県五島列島福江島の玉之浦で昭和21年か22年に発見され、椿展などで全国の愛好家に知られるようになり、多くの方が枝などを採取したため枯死したとされています。わが家の玉の浦は10年程前に長崎出身の知り合いに、20cmほどの挿し木苗を貰い育ててきたのですが、最近では1m50cmほどに成長しました。
これが玉之浦の花です。ヤブツバキの赤い花びらに、白い縁取りがあって白覆輪(しろふくりん)と呼ばれます。先代の安達曈子さんの「椿100選」にも選ばれている椿です。花の少ない季節に鮮やかな花を咲かす常緑の椿の花を好む方が多いようです。

豊凶がありますが、今年はたくさんの花を咲かせました。

花を楽しむだけでなく、椿の花や若芽は天麩羅で食べられるほか、実から絞った油は椿油として料理や力士のびんつけ油に使われるなど用途があるようです。

たくさんの実がなったのですが摘果して4,5個残してあります。果たして、発芽力のある種子ができるかどうか、試してみたいと思います。これが実です。

そしてこちらが挿し木。1、2枚葉のついた勢いの良い小枝を培養土に挿しました。葉からの蒸散を抑制するため、半分に切り取ってあります。

第2弾として種まきした隣のパクチーとともに葦簀の下に置いてあります。うまく行けばいいのですが…。

受粉によって実をつけたパッションフルーツ。成長が早くて、もう実がのぞいてきました。


味わうのは2カ月後くらいでしょう。