カワヅザクラの原木

この週末は、早咲きの桜として知られるカワヅザクラを見るために伊豆の河津町へいってきました。現地では、2月10日〜3月10まで「河津桜まつり」が開催中。多くの観光客が押し寄せているせいか、朝早く家を出たのに、熱海あたりから渋滞が始まり、河津町に着いたのは午後2時過ぎ。桜並木は、河津町を流れる川の両岸に広がっていました。

菜の花と桜が見事。もっとアップで撮るべきでした。

桜並木に沿って、見学者の列ができていました。外国の方もちらほら。

私たちが普段みる桜はソメイヨシノが多い。高度経済成長の頃、盛んに各地の公園や団地に植えられた…。

カワヅザクラの特徴は花の色。際立って赤い、というかこれこそ桜色?

もちろん、それよりも濃い紅色の桜があります。沖縄のカンヒザクラです。桃の花と間違いそう。

どうして伊豆半島カワヅザクラが多いのか。果たしてどこから来たのか。河津町にあるというカワヅザクラの原木を訪ねれば、何かわかるかも知れないというので行ってみました。ここもたくさんの見学者が集まっていました。原木とされる割に小型でした。

この桜は昭和30年2月頃、この町に住む飯田勝美さんによって、河津川の岸で若木が発見され、ここに移植して約10年後の昭和41年に初めて開花。その後の研究の結果、ヒカンザクラオオシマザクラの自然交配でできた新種の桜だということがわかり、カワヅザクラ命名されたとのこと。たくさんの苗がつくられ、河津川河畔から伊豆半島一帯、そして文京区の神田川土手など、都内にも結構植えられています。

オオシマザクラは、伊豆大島に原木があるとされています。大きな白い花を咲かせますが、クマリンという香り成分を含むので、塩漬けした若葉は桜餅を包むのにつかわれます。

オオシマザクラカンヒザクラが交雑すれば、カワヅザクラの色になるのかもしれません。それにしても一方が沖縄産で、片方が大島産となると、双方の遺伝子はどこでどういう形で出会ったんだろう、と今いち疑問の残る“Scientific farmer”でした。
今週の野鳥は、ピンクのカワヅザクラに集まるメジロ…。

もう一枚。



  • きょうの一枚 杉鉾別命(すぎほこわけのみこと)神社の大クス

河津町に行ったら一見の価値のある大クス。樹齢1000年とされる国指定の天然記念物で、樹高25m、目通り周囲15m。