謹賀新年

あけましておめでとうございます。今年もどうぞ、よろしくお願いします。

元旦の朝は帝釈天まで歩いて初詣するのが、わが家の恒例になっていますが、それは明日に延期して今朝は地元の丹後神社にお参りしました。家から歩いて5分ほどのところにある神社です。なかには高さ15mほどの大木の松が植えられています。神様がこの木に降りてくるという、いわゆる「依り代」の松ですが、青々と繁る葉をみるだけで気持ちが元気になります。

ちょっと気になるのは、境内にたつ「葛飾早稲産地」と書かれた記念碑(下の写真)。この碑には、万葉集第十四巻東歌抄に収録されているという恋歌「にほ鳥の 葛飾早稲を 饗するとも その愛しきを 外に立てめやも」( 『葛飾でとれる早稲米を神様に供えるおめでたい夜は 身も心も清く保たなければならないのに、愛しいあの人が来たら 外に立たせておくことはできない、迎え入れてしまうでしょう』 という意)が書かれています。この歌にある「葛飾早稲」の発祥の地はここだというわけです。

いまで言う「早稲米」は、「普通米」に比べて収穫時期の早い稲を指しますが、この歌にある「早稲」は果たしてどうなのか。稲作の専門家にでも聞いてみたいものです。神社の辺りは旧早稲田村だったそうで、三郷市内のこの一帯には早稲田という地名が残されています。
ここらはかつて田んぼが広がっており、一番高いところが江戸川の堤防。見渡す限りの平坦地です。周辺の市町村も自分のところが「早稲の発祥の地」だと主張しているようです。

何かで読みましたが、明治20年代から昭和の戦前まで、東京23区が東京市と呼ばれていた時代は、そこで消費される米のかなりの量がこの一帯の水田地帯で生産されていたというのです。

早稲の産地問題は横において、野菜栽培は、お天道様のご機嫌次第です。この神社は五穀豊穣の神様ですから、「家庭菜園の豊作と家内安全」などをお祈りしました。今年の冬はいまのところ天候続きで気温が高くとても暖かい。この調子でできるだけ穏やかな天候が続いてほしいものです。
ところで、昨年20年振りに遷宮した伊勢さんは、天皇家の祖先である天照大神をおまつりしているということです。お伊勢さんといえば農業の神様。天皇陛下が毎年田植えをされるのは、農業が国家の礎であるということを体現しておられるものだと理解しています。
えらい畏れ多いところに話が飛びましたが、今朝の朝刊には新年に当たっての陛下のご感想が掲載されていました。陛下は東日本大震災の被災地や伊豆大島などの被災地を訪ねるなどして、いつも被災者のことを案じておられるわけですが、今年のご感想にもそうした思いが述べられていました。さらに今年目についたのは、「国民皆が苦しい人々の荷を少しでも分かち持つ気持ちを失わず、世界の人々とも相携え、平和を求め、良き未来を築くために力を尽くしていくよう願っています」のくだりです。昨今の内外の情勢を踏まえられたとても深い想いがこめられたお言葉のように感じました。最近は、本当にいろいろありますからね。と普段めったに書かないことに話が及びましたが、帰りにみかけた山茶花の赤い花は、見るものの心をほっとさせてくれるようで、ほろろんとした、いつもの初詣気分に引き戻してくれました。

繰り返しになりますが、今年一年が穏やかな年であることを祈りたい。しかし年々気候変動が激しくなり、天災や国際間のもめごとも多く、なかなかそうは行かないようです。しっかりとした舵取りを期待したいものです。

  • きょうの一枚  鳥の被害

ささやかな畑の野菜をつつく鳥がいるようです。このままでは、このケールもじきに裸になってしまうのでネットをかけます。