畑の放射線量

ごく最近、当地が昨年12月中旬から法律に基づく「汚染状況重点調査地域」の指定を受けていることに気づきました。「汚染状況重点調査地域」とはどういうことか、詳細はここをご覧頂きたいのですが、それにしても我ながらノンビリしたもんです。今回の原発事故の影響で放射線量が1時間当たり0.23マイクロシーベルト(μSv)、つまり年間の追加被ばく放射線量が1mSvにあたるというのがその理由でそこらの詳しい計算法は先ほどのPDFにあります。なお、我が国の自然放射線量は、年間で1.5ミリシーベルト(mSv)、ここらは1ミリシーベルト(mSv)程度(正確には0.90〜0.99mSv/年)です。
福島第一原発から200km以上離れているにも関わらず、事故直後の気象条件等が影響して、この付近では江戸川を挟んだ千葉県9市、埼玉県2市が指定を受けるほどの地域になったということのようです。
頭痛の種は、わが家のささやかな家庭菜園。小学校などでは線量の測定が行われ、すでに除染作業が進められていますが個人の土地となるとどういう数値になっているのかさえわかりません。これまで食の安全を大切にして野菜を育ててきたのに、肝心な放射能のことがわからないではすまされない。そこで先週初めに線量計を購入しました。最近発売されたばかりで価格もお手頃。安全・安心のためにはこれくらいの出費は止むを得ません。

この測定器をどの程度信頼していいものか。畑での結果はどうか。とんでもない数値が出たらどうしようか、といった不安が頭をよぎりましたが、畑で測ることにしました。

まず、畑の中の野菜を植えてある場所を6か所ほど測ってみたら、0.12から0.19μSv。やや高めですが、一応0.23μSv以下だから許容範囲内ということでいいのでしょうか。
落ち葉や雑草のあるところは線量が高い傾向があると聞いていたので、常緑ヤマボウシの下を測ってみましたが、ここは0.16μSv。

問題は現在、製造中の堆肥です。この堆肥は、近くの公園で一昨年集めた落ち葉が主原料なので、心配はないと考える一方で、落ち葉にセシウムが含まれやすいというので、もし万一…と気になります。しかし結果は0.15μSv。当然と言えば、当然ですが。

道路脇の側溝も0.2μSv以下。これは最近、雨が多いせいか。それなら近くの葦の茂る耕作放棄地はどうだろうと測ってみたら案の定0.34μSvと高い数値が出ました。テレビ報道などを見ても、こうした場所は数値が高いようですから、なんとなく納得です。

ということで、測定器がどの程度信頼できるかという懸念はありましたが、一応畑の数値は心配するほどでないことがわかりました。
次に住まいの近くの公園は放射線量が高いと聞いていたので、ためしに測ってみることにしました。線量計の精度を確認する意味もあります。まずいつも花見をする桜の木の下はどうか。すると0.17μSv。

次に落ち葉の重なった場所を測ると、本日最高の0.36μSvを記録。どうも公園は数値の高いところが多く、今年の花見をどうするか。心配し過ぎかも知れませんが、控えた方がいいのではないかという気分になりました。

部屋に帰り、きょうの測定結果と市の広報誌に掲載されている市内各所のデータを比べてみてビックリ。細かな違いを除けば、ほとんどの測定値が広報誌のデータと合致していたのです。見かけによらず、この線量計は信頼できそうです。
しかし今回は、空間線量を地上1mの高さで測定したが、1mSvの追加被ばく量がどの程度の健康被害につながるのか。あるいは一応許容範囲とはいえ、将来的に野菜への影響はどうなのか。アラ還世代は別として、若い世代への影響はどうなるか、などわからないことが多く不安は残ります。
原発周辺の方々で、放射線値が高いため村を遠く離れたり、家畜や農地を放棄したりという目にあっている方々のご苦労がしのばれます。引き続き測定を続けながら、目に見えず厄介な放射線放射能などについて勉強しながら最善の対応をするしかないと考えています。


  • きょうの一枚 梅の開花

ようやく梅が二分咲き程度になりました。1ヶ月以上の遅れです。