春の日の花々

世界最大級の地震津波により、甚大な犠牲と被害を招いた東日本大震災から一年。先週仕事で訪れた仙台市郊外の荒浜海岸近くでは、家が一軒もなくなり土台だけが広がっていました。たくさんの人家が津波に襲われ、遠くの防潮林の松原もまばらになってしまったようです。

ここは小学校のようです。平日にもかかわらず学校に子供たちの姿はなく、校庭に並べられたバイクの無残な様子が目につきました。若林地区に近いこの一帯だけでも、かなりの犠牲者が出たということです。福島から岩手県まで広がる長い海岸線。その沿線にこうした光景が広がっているのかと考えるとやり切れない気持ちになります。大勢の犠牲者のご冥福を祈り、ご遺族の皆さんにお見舞いを申し上げたいと思います。

きょうは各地で慰霊のための催しが開催され、あらためて震災の悲しみやこれからの復旧・復興に立ち向かう人々の姿が報道されています。国難とも言うべき今回の出来事から立ち上がるため、私たちもともに明日に向けて力をあわせて取り組むことが大事です。
と、珍しく真摯な気持ちで、ようやく暖かくなった畑に行ってみると、梅の白い花が一輪咲き、その他にも蕾がほころびかけていました。例年より20日以上遅い梅の開花です。被災地を中心に列島が悲しみに沈んでいるというのに、きょうはなんと言う穏やかな天気なのでしょうか。

激しい寒暖の差が続いた冬と遅すぎる春。昨年は大震災を含め自然災害に翻弄された一年でしたが、今年はどうなのでしょうか。畔などに咲き春をつげるこの花も、いつもに比べてだいぶ開花が遅いような気がします。
いぬふぐり 星のまたたく 如くなり  さすが虚子です。名称の不明をおぎなってあまりある句です。

アップで撮ると、こんなにカワユイのです。オオイヌノフグリゴマノハグサ科クワガタソウ属 別名)は、ヨーロッパ原産の帰化植物です。

ついでに、ホトケノザ(シソ科オドリコソウ属)。花の付け根にある葉が仏像の台座に似ているということでこういう名がつけられたもののようです。愛らしい色とふたつの点がなんとも言えない雰囲気を醸し出しています。

最後が紫色のクロッカス。見ている間に花びらが開いてきました。

少しでも、皆さんの心の癒しにつながればいいのですが…。