幼虫誕生のしかけ

カマキリの卵鞘の中央部に、上下に並んで見えるのが幼虫の脱出孔のようです。そして卵鞘の下には、スダレのようなものがぶら下がっています。

拡大してみると、何かの抜け殻みたい。じつは、この1個ずつがカマキリの幼虫を包んでいた皮膜だったのです。よくみると脱出孔から出ている細い糸で、それぞれが結ばれています。

幼虫が誕生したあとの卵鞘を刃物で切り開いてみると、細い部屋が何段にも並んでいました。カマキリはこの部屋に1個ずつ卵を産卵するようです。暖かくなると、卵は孵化して皮膜に包まれた幼虫(前幼虫)が誕生し、それが細い通路を通って外に出てくるのだそうです。カマキリの足などが芋虫のような流線型の皮膜の中に収められているので、細い通路でもスムーズに出てこれるのかも知れません。前幼虫が外部に出た途端に、その中からカマキリの幼虫がもがきながら出てくるというわけです。「カマキリ 前幼虫」などで検索すると、いろんな方の動画を見ることができます。なお、昨年撮影したカマキリの産卵の様子は、にあります。

その後、誕生した幼虫は何回か脱皮しながら成長し、八月頃になってようやく羽が生えてくるので、それまでは歩いたりピョンピョンと跳ねながら移動します。
長年の間に培われた生命を受け継ぐシステムによって守られ誕生したカマキリの幼虫ですが、誕生と同時に肉食性のハエトリクモやアシナガバチなどの昆虫、それに野鳥などの危険にさらされます。そうした厳しい自然の掟を乗り越えて、無事に成虫になれる確率はかなり小さいようです。頑張れ!小さなカマキリたち。


−きょうの一枚  ジャガイモの花
メークインの花が咲きました。よく見るとアブラムシがついています。

−きょうのもう一枚
夕方、ベランダで変わった蛹を見つけました。調べたら、ツマグロヒョウモンでした。銀色に光る突起が特徴です。

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