カマキリの姿が見えない

どうしたのでしょうか、畑にカマキリの姿がまったくないのです。これは一年前に写したオオカマキリですが、いつも今頃は生垣やシソ、ピーナツの株のあたりを歩き回る姿が見られたのに。

カマキリというと独特の風貌と交尾相手でも食べてしまう行動のせいか、残酷で思い出すのも嫌だという方が多いかもしれません。しかし、見方によっては紳士然とした雰囲気で、じっと何かを待つ姿はひょうきんで愛嬌があります。これも一年前のハラビロカマキリです。

しかも、面白いことにどの角度から写しても大きな複眼がキラッと輝いていてカメラ目線なんです。それに頭だけをかなりの角度で左右に回転させては、獲物を見つけたらそっと近寄り一撃でしとめてしまう。これらはこの昆虫が生き残るために身につけた習性に違いありません。
メスのカマキリにとって、いま産卵の季節です。卵嚢(らんのう)とか卵鞘(らんしょう)と呼ばれる発泡スチロールの塊のような容器をお尻から出す泡でつくりながら、器用にその中に卵を産みつけます。卵嚢はカマキリの種類によって少しずつ形が違うのですが、どれも断熱性が高くて越冬に適しているようです。これは今年の1月に撮影したオオカマキリの卵嚢です。昨シーズンは30個以上あったのに、今年はまだゼロ。

関東では4月末頃に幼虫が誕生します。飼育箱に卵嚢を入れておけば、1cmほどの幼虫が大量に誕生するのを観察できます。幼虫は小さいながらも立派な鎌状の前足を持っていて、ひとり前の恰好をしている。これは今年7月初めに畑で見かけた幼虫です。この頃は時々見かけたというのに。

大量に幼虫が誕生しても、ほかの昆虫や鳥に食べられたり気象異変のため死んでしまったりするから、無事に大人になり子孫を残せるのは僅かということのようです。カマキリの数は自然の力でバランスが維持されているのでしょう。今年カマキリの姿が見えないのは、今年の夏の記録的な猛暑のせいかも知れません。
やはり昆虫が元気に棲息できる環境こそが人間にとっても心地良いということか。それに急激な温暖化は困りものだし、今年の暑さは参りました。

  • きょうの一枚 土でできた大きな巣

これもドロバチの1種でしょうか。セイヨウカナメモチで長さ6cmほどはある大きな巣を見つけました。いま調べています。

↓家庭菜園に移動しました。
にほんブログ村 花ブログ 果樹・野菜(家庭菜園)へ
にほんブログ村