百舌の生贄
畑には、いろんな樹木を植えていますが、柿や梅、プラムなどの落葉樹はすっかり葉を落として裸になりました。その結果、これまであまり目につかなかった寄生動物などが目立つようになっています。
たとえば、これはプラムの枝についている大きなミノムシです。ミノガという蛾の幼虫が、もう一回脱皮すれば蛹になる終齢幼虫とよばれる時期を迎えると、越冬のため口から糸を吐き丈夫な蓑をつくるのだそうです。小鳥から身を守る効果はあるようですが、嘴の細い小鳥は細い穴から嘴を差込みミノムシを引っ張り出して食べることもあるそうです。それに体が凍るほどの厳しい寒さが続くと、ミノガの幼虫は死んでしまうとか。一見、丈夫に見える蓑ですが、身の安全という点では完璧でないということのようです。
それから、こちらはカイガラムシ。今年は、梅や椿、プラムの木に広がっています。大きさは、せいぜい2、3ミリから5ミリといったところですが、これが極端に増殖すると樹木の生育に悪影響があるようです。カイガラムシの種類に応じて登録農薬があるようですが、せいぜい被害が出ている樹木は数本ですので、根気強く竹か木の枝の先の尖ったもので掻き落とすことにします。
最後が、きょうのタイトルの百舌(モズ)の生贄(いけにえ)です。実物は、せいぜい5cmほどですから、トカゲの子どもみたいです。これも落葉が進まないとなかなか見つからないものの一つです。ここにありますが、写真がリアルなので、気の弱い方は見ないようにしてください。しかし、我ながらホントによく撮れました。本棚においてあるワニの剥製にそっくり。
あまり気色のいいものではないし、モズがどうしてこういう行動をとるのか不可解ですが、野鳥にとって生きてゆくために大切な習性なのかも知れません。こうして見ると、冬が近づき落葉して寂しくなってきた畑の樹木ですが、色々の生き物たちが命をつなぐために、さまざまな活動を行っているわけで、これからも発見の楽しみがありそうです。
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