ゆらゆらと揺れる水面に映るビルの影


かつて大川と呼ばれた隅田川から分かれている小さな水路です。月曜日に小伝馬町から秋葉原まで歩いたときに見つけました。いつもなら見逃すところ。しかし小さなポンポン船が煙を吐きながら船着き場にいたので、ついのぞき込んでしまいました。
この水路はいつ、つくられたものなのか。かつて江戸の街は、水運が発達していたので、古い運河の名残かもしれません。江戸の頃、大川をこえたこの辺りは、小伝馬町の牢があったり外様大名のお屋敷や蔵などが立ち並んでいたところ。
いまにも、時を知らせる「ゴーン」と、十思公園の鐘楼の鐘の音が響いてきそうな昼下がり。江戸から明治、大正、昭和といった時代の変化を映し出してきた水面に、いま映るのはゆらゆらと揺れるビルの影と一羽の鴨でした。