都市の中の森

「落ち葉があるので、取りにこないか」。そんな連絡を頂いて早速出かけてきました。場所は松戸市の郊外で、一帯には梅林や畑などのほかに森が広がっているところ。都市近郊に広がる森は、面積は2.3haとそれほど大きくなくてもオアシスのような存在です。持ち主の方は、森を永遠に残したいと考えて公益法人に寄付しました。公益法人に寄付することで、相続の心配がなくなり森は守られます。
いま、この森は趣旨に賛同する方々によって維持管理されています。

森には看板や歩道がつけられ、森の中の木には樹名板がつけられていました。樹名板は子供たちの手作りでしょう。木の名前だけでなくメッセージも書かれていました。(写真がなくてお見せできないのが、残念です)その一角にあるちょっとした広場には、落ち葉が積もっていて絨毯のようでした。

かつては森の中の落ち葉や雑木は堆肥や燃料に使われてきました。この森も、落ち葉掻きなどのために人手が加わりきれいにされてきたはずです。いまは、そうした森と人との関係はこわれてなくなりました。それに、困ったことに森の中でいたずらをする人までいるということでした。
こうしたことに関係なく、冬が近づくと森の落葉樹は生き抜くために葉を落とします。樹木が生き続けることで、森が成り立ち土や空気、水が守られます。人間を含むあらゆる生き物は、土や空気、水なしで生きていくことはできません。大切な森を永遠に残す、その決断と関係者の努力はかけがえのないものです。

ところで堆肥用の落ち葉は、森の外の梅林の近くにありました。有り難く頂戴して車で畑に運び堆肥置き場にいれました。クヌギの落ち葉はいい薫りがします。一年もたてば立派な堆肥になるでしょう。
堆肥を使っておいしい野菜ができたら、その時は……。