ハクサイの苗が育ってきました

5月28日の更新から約3か月半が経過しました。何となく書きそびれているうちに、きょうになったというわけです。そろそろ秋野菜の季節を迎えハクサイの苗が育ってきたので、久しぶりに更新します。
この期間の最大の出来事は、お天道様のご機嫌が悪かったことではないでしょうか。野菜は太陽エネルギーを使って、根から吸収した水と葉にある気孔から取り入れた二酸化炭素から炭水化物をつくり成長します。野菜にとって、日射と降水、気温、つまりお天道様のご機嫌はもっとも大切な要素ってわけですが、5月から7月までは記録的な少雨が続き、8月に入ると今度は記録的な日射不足になりました。まず過去10年間の降水量のグラフをご覧ください。今年5、6、7月の雨がいかに少なかったかがわかると思います。7月は、4日と5日で合計71ミリの雨が降りあわせて133.5ミリになりましたが、それを除けば徹底した少雨でした。こうした天候異変のなかで、わが家の家庭菜園はどうだったかを書いてみたいと思います。

野菜の葉にある気孔は、光合成に必要な二酸化炭素のとりいれ口であると同時に水を蒸散させる働きもしています。光合成に必要な二酸化炭素を取り入れるために気孔を開くと、気孔から体内の水が蒸散してしまうのです。水不足の場合、蒸散を抑制するため、野菜は気孔を閉じてしまいます。すると結果的に二酸化炭素を取り入れることができないので栄養生産ができません。こうした少雨の影響の第1は、タマネギ、ジャガイモ、ラッキョウなどの根菜類が大きく育たず小粒だということです。もちろん少雨は、決して悪いことばかりではありません。雨の少ない天気で育った小粒のジャガイモは、とりたてを塩ゆでするとこれが旨いんです。ポテトサラダにしても水っぽくないため美味しい。と、家庭菜園のいつもながらの気楽な話ですが、農家の方は大変だったと思います。

少雨のため根菜類が小粒な一方で、豆類のエダマメとインゲンは、まあまあの出来でした。とれすぎとまでは行きませんが、そのエダマメやインゲンをどうするか、もちろん冷凍庫で保存します。おかげで、いまでも楽しんでおります。それとトマトが甘かった。トマトは、苗の上に屋根をかけて雨をさけるほどの野菜ですから、収穫期の水不足は願ってもないこと。さらにパクチーの種子、コリアンダーが、少雨のおかげで200gほど収穫できました。こちらは泡盛を使ってコリアンダー酒にしたりして楽しんでいます。

あと果物のサンタローザは、実のなる枝が少なかった。それでもジャムが出来ましたし結構、生食も楽しみました。それと3本植えたカボチャの株にに合計20個の実がなりました。ということで雨不足の功罪はこんなところでしょうか。

次に8月の日照不足は、都心では40年振りの記録だったとか。稲作には影響があったのではないかと感じますがこの季節、わが家の畑は野菜がないので、それほどの心配はありませんでした。今月2日の日経記事をアップします。これまでの日照時間の最短は1977年の85.8時間で、今回はそれを下回る83.7時間というわけです。とにかく地球温暖化の影響か、世界で異常気象が続いています。どこかの大統領が温暖化対策の枠組みから離脱するとか言い出していますが、とんでもないことです。

畑以外の出来事としては、今年5月5日の姪の結婚式。良い旦那さんがみつかって良かったのですが、この機会に吹上浜に泊りがけで出かけて90歳を迎える母(義母)のお祝いとお祝いが続きました。気温が高くて雨の多い鹿児島には、どこも照葉樹林常緑広葉樹林)だらけですが、その若葉の美しさ、関東以北の落葉広葉樹林の若葉とは、一味違う美しさが印象に残りました。子供の頃は飽きるほど眺めていたはずなのに…、と思うと可笑しいのですが、こんなものに心が動かされるというのは、やはり歳のせい?かも知れません。(写真をクリックしてオリジナルサイズでご覧ください。)

照葉樹林というと「照葉樹林文化」とか「縄文」を連想します。この7月には日本最大の縄文遺跡といわれる「三内丸山遺跡」(青森県)を訪ねました。3月に専門学校を卒業生した卒業生を訪ねる旅で、同じ卒業生仲間のKさんとの二人旅でした。今回はふたつびっくりしたことがあります。ひとつは新幹線の混雑。あまりにもお客さんが多くて行きも帰りも超満員。新幹線が函館まで開通したせいだとか。ふたつめは天候です。この季節の青森は快適だろうというのは大間違いで、関東よりも暑い天気にぶつかりました。青森市内では、じりじりと照る日射しを浴びながらの遺跡巡りになりました。それでもクリ材を使って建てられた建築物は見事でした。

1992年に発掘が開始され、2年後の1994年に約4千5百年前のものと推定される直径 1.8mの柱穴6個、そして直径80cmのクリ材を発見したのだとか。写真の建築物は、そうした発掘の成果をもとに復元したものです。発掘したクリ材のDNAを調べたところほぼ同一の品種、つまり食料として大きな実をつけるクリが栽培されていたのではないかという学説もあります。クリ材は国内の木材のなかで最も腐りにくく、かつては鉄道の軌道に使われた木材です。改めて縄文人の文化の高さに驚きました。

現地には、土や樹木の皮、藁葺きと、いろんなタイプの住居が展示されていました。

久しぶりに書いていると、旅行日記みたいになってきましたが翌日は、弘前にある岩木山に登山。歌謡曲にもうたわれている、この山にいつか登りたいと考えていたので、それがようやくかないました。弘前城から眺める岩木山は、西の空にそびえる独立峰。少し専門的なことを書くと、この地方の山岳は麓に落葉広葉樹林があり、高度を増すに従いアオモリトドマツやトウヒなどの常緑針葉樹林に移り、さらに高度を増すと森林限界に移行するのですが、ここは常緑針葉樹林がないという特徴があります。つまり広葉樹林から、いきなり森林限界に移行するわけで、写真右上が山頂付近の岩石地です。

岩木山を下山してから、岩手県の雫石に移動しました。ここには、地域おこし協力隊員として活躍する方を訪ね、夜は繋温泉に宿泊。翌日は「尾入野湿原」を案内してもらいました。小さな湿原ですが、生物種が豊かで、初めてみるモノサシトンボノートントンボなど、珍しいイトトンボ類やトウキョウダルマガエルなどを観察できて満足でした。これがモノサシトンボです。

と、まぁ、久しぶりの更新ですが、なかなかタイトルのハクサイの苗までたどり着きません。それは無理もないことです。3か月分を一日で書くには無理があります。ということでここで、ベランダの苗の最新の写真を紹介して、これ以下は次回にします。